ななぶんのに研究室

ワーママ社会人大学院生のくろぺんぎんが、シティズンシップ育成をテーマに日々活動したり考えたりしていること

"whirlwind trip"

whirlwind trip
慌ただしい旅

This is a whirlwind trip so I suspect I won't see much this time either.

友人のSNSで見つけた表現。辞書的には「竜巻、つむじ風、旋風」だそうだ。発音記号では、hwə́ːrlwìnd、カナで書けばホワールウインドか。一発で通じるか心配っ。

英辞郎の「標準語彙水準SVL12000」はアルクが選定した語を1000語×12段階に分類したもので、それによるとこの語は最上級のレベル11(自分の視野を広げる英単語)に分類されている。非ネイティブスピーカーとしては知らなくてもおかしくはないけれど、使えるとカッコよさそう。

 

「自分に合った学び方」を自覚した日

2017年も盛りだくさんの一年ではあったのだけど、ここぞという思い出をあえて挙げるとすれば、Points of Youの体験会じゃないかと思う。

これはコーチングゲームのひとつで、64枚のカードを使う。コーチング方法も、カードを使う同種のものもたくさんあるらしいのだけど、たまたま都合がよかったので、軽い気持ちで参加した。

写真はとても綺麗で、グラビアにも使えそう。風景もあれば人物もある。大きな建物もあれば小さな置物もある。ひとつひとつがそれぞれの美しさを持っている。カードの下には英語と日本語で単語が書かれている。

コーチがお題を出し、そのお題を考えながら、その時の心に響いたカードを選ぶ。「私はなぜこの1枚を選んだのだろう」、「そのカードはなぜ私に特別な一枚だと訴えかけたのだろう」と考えることで、潜在意識を引き出して、見えるようにすることで自分と向き合うというもの。テーブル一杯に広げたカードを眺めながら、その時の感覚にいちばんマッチするカードを決める。

ゲームそのものももちろん興味深いもので、もっと知りたいと思ったのだが、私がハッとしたのはそこじゃなくて、選んだカードに向き合っている参加者にコーチが問いかけた質問だった。

「このカードに惹かれた理由は、写真ですか、文字ですか」という、シンプルな質問だった。

その時持っていたカードがどれだったかは忘れたけれど、私がカードを選ぶときに見つめていたのは、間違いなく「文字」だ。美しいカードは、ただ広げているだけでも十分に美しい。はがきより少し小さいくらいのカードを64枚も広げると、テーブルは色の洪水になる。私たちはテーブルの周りをゆっくりと歩きながら選ぶのだけど、私はまず文字を見て、その後で写真を含めた全体を見ていたから、ためらいなく「文字です」と答えた。

当日は3人の参加者がいて、私以外の二人は「写真」だと答えた。彼らの理由は、写真が表現しているものだったり、写真の中に移りこんでいるアイテムだったりして、それらが意味するものを自分なりに解釈していた。みなはじめて参加した人ばかりで、コーチの説明を同じように聞いて、同じようにゲームに参加したのに。

そういえば、以前、学び方のスタイルが異なる子どもたちに違うカリキュラムでワークショップをする、という企画をしたことがあった。スタイルの分類は4つあり、

-Auditory(音から)
-Literary(文字から)
-Visual(絵や写真から)
-Kinaesthetic(運動感覚から)

だと説明されたと記憶している。事前にアンケートに答えてもらい、グループを組む。ワークショップで初めて会う子どもたちだから、アンケートの集計時には顔も声もわからないのだが、回答結果は一応数字で表されるので、数人ずつのグループに分類することはできた。

改めて、Google scholarでlearning styleを検索してみると、分類に言及している論文のいくつかにヒットした。分類はLiteraryを除く3つになっているようで、

-Auditory(聴覚から)
-Visual(視覚から)
-Kinaesthetic(運動感覚から)

だった。学術的に論じられるような考察はできてないのだけれど、自分の経験に照らすと私には納得できるものだった。

子ども時代の私は、本を読むのが大好きだった。親戚のおさがりで回ってきた「世界文学全集」の50冊くらいのセットを、小学校低学年で読みふけっていて、読書中の私は「本の虫に耳をふさがれている」と大人が呆れるくらい集中していたそうだ。

でもアートも好きだ。美術館や博物館に行くと、キャプションよりも作品を見ているから、タイトルも作者も覚えていない。展示会場特有の、ちょっと冷たい感じのする独特の匂いが好きだ。

大人になってからは、会議の雰囲気や会話の流れで記憶している。タイプするスピードが速かったので、若手の頃は発言録をよく任されていた。発言をただタイプするだけじゃなくて、声調や強調された部分を添え書きするなどの工夫もして、会議に参加できなかった人にもわかりやすいと好評だったものだ。

語学の学習では、音優先が好きだ。会話練習や実際の対話から入るので、つづりや文法はかなり適当。今なお苦労している。

仕事では私の「落書き」は部下には好評で、打ち合わせが6割方進行したくらいのタイミングで、ホワイトボードや裏紙にマトリックスを書いたりして整理していた。

learning styleは一人にひとつではないので、私の場合は読書や発言録に見るようなLiterary要素と、語学でのAudio要素と、アートでのKinaesthetic要素が混ざってるんだと思うが、インプットで多く使っているのはLiterary、アウトプットではVisualが主だということだろう。

#pointsofyou

#learningstyle

comfort zone

留学したり、これまでにない何かにチャレンジしたりしたのはなぜ?と留学生に訊いた時のこと。

 

「comfortable zoneにいれば快適だ。だけど自分はその外側に出る勇気を持っているって思いたかったんだ」と返ってきた。それも何人もから、異口同音に。同じ大学の学生たちだからなのか、国民性なのかはわからないけど、なにせ同じように返ってきた。

 

「一歩踏み出す勇気」とは言うけれど、その時の視点は未来を向いている。comfort zoneは「慣れ親しんだ快適な居場所」の意味合いだから、今いる場所という現実を指している。新しい世界にチャレンジするとき、今いる場所の温かさが目に入らないってことはないか。私はそうだった。失ってはじめて気づくもの、とも言えそう。

 

交換留学のために初めてパスポートを取り、アメリカに渡った18歳の8月。飛行機に乗るのも3回目だった。言葉の不安、まだ見ぬホストファミリー、初めて親元を離れて海外で生活するという不安、アメリカでの学校生活などなど、来たりくるものへの不安と興奮で眠れなかった。私を送り出してくれた両親、きょうだい、ともだち、先生たちの心配なんて、考えたこともなかったよ。

 

足元の現実もちゃんと見て、新しい世界へ。